【平壌3月12日発朝鮮中央通信】朝鮮半島地域でヒステリックに繰り広げられる米国主導の二国間および多国間の合同軍事演習がなぜそれほど危険極まりなく、世人の糾弾を受けて当然であるのかを見せる事件が最近発生した。
歴代最悪の「フリーダム・シールド2025」演習の本格施行を控えて、その前哨戦の性格で強行された米韓の大規模実弾射撃演習の途中、「火力誇示」を唱えて奔走していた2機のかいらい戦闘機が民間の村に空爆を加える初めての「同時誤爆」事件が起こったのである。
おおよそ8発の爆弾が集中投下されて数十人の民間人とかいらい軍の重傷者と軽傷者を出し、民家と車両の破壊など多大な財産被害を招いた事件は、パイロットの座標入力ミスによる途方もない事故であったという。
米軍と韓国軍でこのような暴発事故は日常茶飯事であるが、それが他ならぬわれわれとの全面戦争を想定した大規模合同軍事演習の前夜に、まさに共和国の南の国境に近い所で起こったことに留意すべきである。
今、米紙「ニューヨーク・タイムズ」をはじめとする米国とかいらいメディアが言い立てるように、万が一、爆弾がもう少し北の方に投下され、われわれの国境線を越えたなら、事態がいかに広がったであろうかはあえて説明する必要がない。
朝米間の朝鮮戦争が現在持続する形で存在する停戦地域、それも核対核が対峙している世界最高の危険地帯で、米韓の悪意的な大規模合同軍事演習に対処して共和国武力が最大の臨戦態勢にある現時点で、偶発的な一点の火の粉が朝鮮半島と地域、世界を新たな武力衝突に巻き込まれるようにしたということは決して無理な想像ではない。
今回の事件は、米国と追随勢力がわれわれを正照準して頻繁に繰り広げる各種の戦争試演が自分らが標榜(ひょうぼう)しているように「韓国と地域内の平和と安定のためのこと」ではなく、一触即発の危機、世界最初の核戦争を胚胎(はいたい)した危険極まりなく、望ましくない行動であることを見せる一例であるだけだ。
自分ら自らもぞっとする事態の危険性に驚いて今や、「フリーダム・シールド2025」演習を一切実弾射撃を禁じる一種の「音なき演習」に変身させたが、内外に増幅したその危険性と重大さは覆い隠すことも、鎮めることもできない。
米国とかいらい韓国の軍事ごろをはじめとする敵国が朝鮮半島地域で戦争の狂乱をやめない限り、わが国家と地域の平和と安全環境に対する脅威はいつになっても解消しないであろう。
われわれは、全ての不意の事態発展に対処して敵の軍事的妄動をたった一つも逃さず注視しており、万一の場合には警告なしに無慈悲な行動に移るであろう。
その時には、弁解する余裕さえないであろう。
敵は、安堵の胸をなで下ろすのではなく、危険極まりない米韓合同軍事演習の不吉な前兆を深刻に受け止めなければならず、朝鮮半島の情勢悪化の根源である核戦争試演を直ちに中止すべきである。---
www.kcna.kp (2025.03.12.)